ケリー基準計算機
予測市場での最適ベット量を計算して長期資産成長を最大化しましょう
最適ベット量計算
ケリー基準とは何か
ケリー基準は、限られた資金を何回もの取引に配分するとき、長期的な資金成長率を最大化する賭け金の比率を求める計算式です。1956年にベル研究所のジョン・ケリーが情報理論の文脈で提案したもので、現在は投資や予測市場の資金管理に広く使われています。
重要なのは、ケリー基準が「どの取引をするか」ではなく「いくら賭けるか」だけを決めるという点です。取引の可否は期待値で判断し、参加すると決めた取引に対してケリー基準で金額を決める、という順序が基本になります。
ケリー基準の本質は、賭けすぎると資金が尽きて破綻し、賭けなさすぎると成長が遅くなるというトレードオフを、数学的に最適な一点で解くことにあります。
計算式と計算例
f* = (b × p − q) ÷ b
b = (1 − 市場価格) ÷ 市場価格
f* は資金に対する賭け金の比率、b は純オッズ(賭けた1単位あたりの利益)、p はあなたの推定勝率、q は敗率(1 − p)です。
市場価格40セント、推定勝率55%の場合
まず純オッズを求めます。40セントで購入したシェアは的中すれば1ドルになるため、b = (1 − 0.40) ÷ 0.40 = 1.5 です。次にケリー比率を計算します。(1.5 × 0.55 − 0.45) ÷ 1.5 = (0.825 − 0.45) ÷ 1.5 = 0.375 ÷ 1.5 = 0.25、つまり資金の25%が完全ケリーの賭け金です。
| 資金 | 完全ケリー(25%) | ハーフケリー(12.5%) | クォーター(6.25%) |
|---|---|---|---|
| 1,000 USDC | 250 USDC | 125 USDC | 62.5 USDC |
| 5,000 USDC | 1,250 USDC | 625 USDC | 312.5 USDC |
| 10,000 USDC | 2,500 USDC | 1,250 USDC | 625 USDC |
完全ケリーではなくハーフケリーを使う理由
理論上の最適値は完全ケリーですが、実務ではその半分(ハーフケリー)や4分の1を使うのが一般的です。最大の理由は、自分の推定勝率pが正確である保証がないことです。
ケリー基準は入力値に非常に敏感です。推定勝率を55%ではなく60%と誤って見積もれば、計算される賭け金は大きく跳ね上がります。そして推定を誤った状態で完全ケリーを適用すると、最適値を通り越して賭けすぎの状態になり、長期的な成長率がかえって下がります。
ハーフケリーにすると、資金の成長率は理論上の最大値の約75%を維持しつつ、変動幅(ドローダウン)を大幅に抑えられます。推定に自信がある場合でも、まずはハーフケリーから始めるのが安全です。
- クォーターケリー(25%):推定に自信が持てない場合や、流動性の低い市場向け。
- ハーフケリー(50%):多くのトレーダーにとっての標準的な選択。
- 完全ケリー(100%):推定確率が統計的に検証されており、流動性も十分な場合のみ。
日本のトレーダーが注意すべき点
ケリー基準は破産を防がない
ケリー基準は長期的な成長率を最大化しますが、短期的な連敗を防ぐものではありません。理論上、完全ケリーを続ければ資金が半分になる局面は何度も訪れます。精神的に耐えられない場合は、計算値より小さく賭けるのが現実的です。
流動性が低い市場では計算値どおりに買えない
計算した賭け金が大きくても、市場の流動性が低ければその金額では約定せず、価格を動かしてしまいます。実際に約定する金額が計算値より小さくなる場合は、注文を分割するか、そもそもその市場を避けてください。
円建ての損益で判断する
資金はUSDC建てで管理されますが、最終的な円換算の損益は為替の影響を受けます。USDC建てでは成長していても、円高局面では円建ての資産が減ることがあります。為替は別のリスク要因として扱ってください。
よくある質問
ケリー基準がマイナスになった場合はどうすればよいですか?
賭けないでください。ケリー比率がマイナスになるのは、推定勝率が市場価格を下回っている、つまり期待値がマイナスの状態です。この計算機はその場合に「ベット非推奨」と表示します。
推定勝率はどのように決めればよいですか?
ニュース、世論調査、過去のデータなど、市場価格以外の根拠から見積もります。市場価格をそのまま入力するとケリー比率はゼロになり、取引の意味がなくなります。
複数の市場に同時に賭ける場合も同じ計算でよいですか?
同時に持つポジションを合計すると、資金の大部分が拘束されることがあります。市場ごとに計算した比率を合計し、それが資金の上限(たとえば50%)を超えないか確認してください。
連敗が続いたときは賭け金を増やすべきですか?
いいえ。ケリー基準は常に現在の資金に対して計算します。資金が減れば計算される賭け金も自動的に小さくなります。これは破綻を避けるための仕組みであり、取り戻そうとして増額するのは最も危険な行動です。
ハーフケリーとクォーターケリーのどちらを選ぶべきですか?
自分の推定確率の精度に自信があるほど大きな比率を選べます。判断の根拠が明確で、事前の記録と結果を比較した経験があるならハーフケリー、感覚に頼る部分が大きいならクォーターケリーから始めてください。